音楽を通して地域のコミュニティ作りを~みんなの音楽祭

1924

南三陸町の多世代交流施設「結の里」で10月3日、音楽イベント「みんなの音楽祭」が行われました。晴天の中、町内外から集まった音楽愛好家たちが楽器の演奏やダンスを披露し、会場を訪れた人たちと共に楽しい時間を過ごしました。

感染防止対策をしながらの開催

「みんなの音楽祭」はその名の通り、誰でも気軽に参加して楽しめるイベントとして、そして新型コロナウイルス感染拡大の影響で発表の機会がなくなってしまった音楽愛好家の活動の場や地域住民の交流の場として企画されました。当日は大正琴やアコーディオン、ギター、オカリナなどの演奏やダンスなど9演目が披露されました。出演者の多くが町内在住、南三陸にゆかりのある音楽愛好家も仙台市や大崎市からかけつけ、イベントを盛り上げました。

宮城県では9月30日をもって「まん延防止等重点措置」が終了しましたが、リバウンド防止徹底期間中のため、イベントは感染防止対策を徹底して行われました。演目も楽器の演奏が中心で大声を出さないものに限られました。会場にはこの日を待ちわびていた地域の方々が朝早くから訪れ、距離をあけて座る、声援の代わりに手拍子や拍手で盛り上げるなど、ルールを守って楽しんでいました。

会場入り口を一か所にし、手指の消毒や検温、客席間の距離をあける、会場内での飲食禁止などの感染防止対策が行われました。

 

新しい地域コミュニティ作りのきっかけに

主催したのは大崎市でフリースクールの運営やイベント企画を行っている「フリースペース道」。代表の髙橋雅道さんは「震災から10年、ハード面の復興は進んだが、ソフト面の復興において我々がお手伝いできることがまだまだあると感じている。復興住宅など新しい建物ができたものの、そこに住む方々のコミュニティ形成の難しさを知った。地域の新たなコミュニティづくりの手助けとなればと思い、今回の音楽イベントを企画した。」と話します。

イベントを主催した「フリースペース道」(大崎市)代表の髙橋雅道さん

久しぶりのステージに思わず笑顔

出演者のみなさんも思い思いに久しぶりのステージを楽しみました。結成からおよそ30年という「南三陸大正琴の会」のみなさん。当初30名ほどいたメンバーも、震災後、住む地域がばらばらになり、一時は活動休止に。しかし、震災から2年後、集まれるひとだけでも集まろうと練習を再開。現在は6名で活動しています。コロナ禍で演奏を披露する機会もなくなり、練習もできなかったみなさんにとって実に2年ぶりのステージ。演奏が終わると、口を揃えて「緊張した~!」のひとこと。しかし、「ワクチン接種も終わって、緊急事態宣言も解除されたので、これからたくさんのイベントに呼んでもらえるよう、一生懸命練習します!」と笑顔で決意表明してくださいました。

「南三陸大正琴の会」のみなさん 2週間みっちりと練習した童謡や懐メロを披露しました。

志津川地区の災害公営住宅入居者によるグループ「レッド&ブルー」のみなさんは健康づくりの一環で毎朝行っているラジオ体操を自分たちでアレンジしたダンスを披露。元気いっぱいのダンスに会場も盛り上がりました。

会場でひと際目を引く揃いの衣装で登場「レッド&ブルー」のみなさん。

朝早くから最前列で熱心に聞き入っていた女性は「音楽が大好きで、今日を心待ちにしていました。家にこもることが多かったので、久しぶりに外に出てみんなと歌ったり踊ったりして、気持ちが晴れ晴れしました。」と話していました。

会場となった社会福祉協議会「結の里」の髙橋吏佳さんは「ウィズコロナ時代、人と人との距離は離れていても、心と心は密につながりながら、これからも地域づくりをしていきたい。」とイベントを締めくくり、髙橋さんの音頭で南三陸町社会福祉協議会オリジナルの「長生き坂音頭」を会場を訪れた人全員で輪になって行いました。

青空の下、久しぶりのイベントに地域の人たちの笑顔あふれる一日となりました。

 

いいね!して
南三陸を応援

フォローする