南三陸町と気仙沼市で作られている「南三陸ねぎ」をご存知ですか? 公式キャラクターが誕生したり、東京で南三陸ねぎを使った限定ラーメンが登場したりと、さまざまなプロジェクトが進行中!プロジェクトメンバーに話を伺いました。
「南三陸ねぎラーメン」が東京に登場!
2017年11月27日~12月24日に、東京・八王子エリアで「南三陸ねぎ」を使った限定ラーメンが食べられます! 「口樂」「麺や 睡蓮」「ほっこり中華そば もつけ」「味噌ぶりNoodle みやみや」の4店が、1週間ごとに提供。同じ南三陸ねぎを使いながらも、各店個性あふれる一品を考案しました。
どのラーメンも美味しそうで気になりましたが、「麺や 睡蓮」の「南三陸ネギ潮の幸ラーメン」を食べに行くことに。出てきたのは、南三陸産わかめのほか、いくら、鮭、ホタテ、鯛など、色とりどりの海の幸がのった、具だくさんで豪華なラーメン。中央には白髪ねぎ、そして切り方の異なる焼きねぎが、存在感を放ってトッピングされています。
まずは主役の南三陸ねぎから。斜め切りの焼きねぎのほうをいただくと、甘さにびっくり!そしてトロトロ。一口目から感動が押し寄せます。もう一方の筒切りのねぎは、歯ごたえのある外側と、とろりとした内側のコントラストが特徴。かむごとに、ねぎのうまみが口の中に広がります。滋味深いスープをすすりつつ、麺と一緒に白髪ねぎを。こちらは薬味としてピリッと締まる味わい。ねぎの美味しさを全方位から味わえる店主の工夫に、感銘を受けました。
トッピングの海の幸に南三陸を感じながら、ペロリと完食! 豪華な具と、やさしく染み入る味わいに、おなかも心も大満足です。今まで長ねぎはラーメンの脇役だと思っていましたが、主役級の美味しさ。すっかりトロ甘な南三陸ねぎのとりこに…。ごちそうさまでした!
「南三陸ねぎ」って何? 誕生の背景は…。
美味しいねぎをたっぷり堪能しましたが、そもそも「南三陸ねぎ」って何なのでしょう?「南三陸ねぎ」とは、南三陸町と隣の気仙沼市で生産されている長ねぎのブランド名。東京在住のクリエイターたちが中心となって立ち上げた「南三陸ねぎ応援プロジェクト」が全国に向けてPRしています。
南三陸ねぎ応援プロジェクト誕生のきっかけは、Webプロデューサーの中根茂雄さんが創価大学経済学部の「東北復興スタディーツアー」に同行して南三陸町を訪れたこと。その後も、クリエイター仲間の八幡清信さんらと一緒にたびたび足を運び、農業ボランティアをするなかで、長ねぎと出合いました。
南三陸町で長ねぎの栽培が始まったのは、東日本大震災後。復興に向けた取り組みのひとつとして、農業生産法人の「南三陸農工房」が長ねぎの栽培を開始しました。長ねぎは収益性が高いため、徐々に生産が拡大。東京からの移住者が立ち上げた「グリーンファーマーズ宮城」や、気仙沼市の「シーサイドファーム波路上」も、長ねぎ栽培に参入しました。
そのグリーンファーマーズ宮城から、「長ねぎを何とかブランド化したいんです」という相談を受けた八幡さんと中根さん。熱い想いに感銘を受けた二人は、本業でのスキルを生かし、クリエイティブによって長ねぎのブランド化を応援することにしました。
困難に負けない「不屈のねぎ」としてブランド化。
「相談を受けた時点で、実は、私たちはまだ南三陸産のねぎを食べたことがなかったんですよ(笑)」と話すのは、前出の八幡さん。「南三陸ねぎ応援プロジェクト」のプロジェクトリーダーを務めています。「ブランド化にあたっていろいろと調べていくなかで、ねぎは津波による塩害に強いということがわかりました。それが、困難に負けず立ち上がる人々の姿と重なったのです。そこで、そのストーリーを伝え、『不屈のねぎ』としてアピールすることにしました」。
そして2017年1月に「南三陸ねぎ応援委員会」が設立され、プロジェクトがスタートしたのです。
ウェブサイトやSNSでの情報発信をはじめ、南三陸ねぎプレゼント企画、ねぎカフェの開催など、まずは南三陸ねぎを知ってもらうための活動に注力。2017年10月には、南三陸町観光協会の協力を得て、南三陸ねぎの公式キャラクターの募集を開始しました。全国から応募があり、最終的に選ばれたのが「ネギプー」です。「ネバーギプアップ(Never give up)」の「ネ」「ギ」「プ」を取って命名されました。
2年目は生産地での定着・盛り上がりを目指す。
「困難に負けない“不屈のねぎ”である南三陸ねぎには、人々を勇気づける力がある。だから南三陸ねぎを発信していくことには意義があると思っています。今年は認知拡大のためストーリーを伝えることに力を入れてきましたが、2年目は“味”のほうにシフトしていくつもりです。南三陸ねぎの美味しさそのものを知ってもらえるような情報発信をしていきます」と八幡さんは話します。
実は、南三陸ねぎ応援プロジェクトのメンバーは、みなさんボランティアで関わっています。その原動力はどこにあるのでしょう?「復興につながるということと、自分たちにとって新しいチャレンジだということで、楽しいし、やりがいを感じています。すっかりのめり込んでいますね」と八幡さん。
これから第2ステージに入っていく南三陸ねぎ応援プロジェクト。生産地である南三陸町・気仙沼市でも認知度を上げ、南三陸ねぎ熱を高めていきたいと考えています。
次はどんな企画が飛び出すのか、楽しみですね!
インフォメーション
南三陸ねぎラーメンプロジェクト
現在開催中の店舗は下記となります
【南三陸ネギのトロ肉味噌ラーメン】
味噌ぶりNoodleみやみや (聖蹟桜ヶ丘)
実施期間:12/18-12/24
https://tabelog.com/tokyo/A1327/A132702/13195590/