東日本大震災から6年あまり。2017年3月3日に本設となる「南三陸志津川さんさん商店街」がオープンしました。ここは、雪の日も、雨の日も、風の日も、どんな困難にもめげずに歩みを続けた南三陸人の不屈の魂の象徴です。
木の風合いが美しい本設の「さんさん商店街」
志津川湾に面した高台に並ぶ、やさしい木の色あいが美しい平屋の建物。めでたく本日オープンを迎えた「南三陸志津川さんさん商店街」です。
同商店街は、かつての町の中心地に震災後8.3mほどかさ上げされた高台の造成地、国道45号線と国道398号線が交差する志津川地区に本設としてオープン。南三陸杉を使用した平屋6棟に、水産物店や飲食店、土産物店から理容室や文具店など全28店舗で構成されています。
設計は、東京五輪・パラリンピックで使う新国立競技場のデザインを手掛けた建築家、隈研吾氏。オープニングセレモニーにも駆け付け、その設計にかける想いなどを話しました。
「南三陸の魅力である海と一体になれるような作りを意識しました。美人杉といわれる南三陸杉をふんだんに使用して、人間的で温かみを感じられるものになったと思います。縁側がある作りが特徴で、外と中が交わる場所になっていければ」と話しました。
雪にも負けず、雨にも負けず、風にも負けず
「南三陸さんさん商店街」の歴史を語るうえで、天候は切っても切れないものになっています。仮設のさんさん商店街オープン時は、大雪。本設のさんさん商店街の地鎮祭のときは、大雨。そして今日。空を見上げ、おだやかに晴れ渡ったなと思えば、暴風警報が発令されるほどの強風となりました。どんな自然災害にも負けず、耐えて、歩みをやめない南三陸人を試しているかのようです。
奇しくも今から84年前。1933年3月3日は、昭和三陸地震津波が発生した日。南三陸でも87名の犠牲者を出した日でもあります。そして、あの東日本大震災から6年という月日がたとうとしています。これからもここに住む限り、ここで商いをする限り、避けて通ることはできない自然災害。「さんさん」という数字は、この地で生きていく覚悟の表れなのかもしれません。
各店舗、待望のオープン!
オープン当日の3日は10時よりオープニングセレモニーが開催。関係者や全国の報道陣が多く見守るなか、オープンを迎えました。商店街を運営するまちづくり会社「南三陸まちづくり未来」の三浦洋昭社長は、「仮設のさんさん商店街だったときから励まされ続けたことに感謝して、これから恩返しをしていきたい」と挨拶しました。
各出店者は出店準備に追われるなか、感慨深げに、そしてうれしそうな笑みを浮かべながら商店街を見守っていました。
12時を前に、一般開放となった商店街。飲食店にはのれんが掲げられ、新たな味わいを楽しもうと賑わいを見せていました。東北ゴールデンエンジェルスの華麗なパフォーマンスや、大賑わいを見せたもちまきなど、大盛り上がりの一日となりました。
「今日が、始まりの一日」
「今日は、始まり。この場所がハブとなり、子どもたちなどの地元のお客さんに、多くの観光客で賑わいを作っていきたい」とオープニングセレモニーで話した佐藤仁町長。
本日、2017年3月3日は、南三陸の新しい門出の日です。震災から6年間、必死に駆け抜けてきた南三陸町民。それを支えてくれ、背中を押してくれた全国、世界の皆さん。その想いが重なり、手を取り合いながら、今日、大きな扉を開けることができました。
誰もが絶望に打ちひしがれたあの災害からわずか1か月で、福興市として、前を向き、商いをはじめました。雪の日も、風の日も、どんな困難にもめげずに歩み続けてきました。今日オープンした「南三陸志津川さんさん商店街」は、そんな南三陸町民と、それを支え、背中を押してくれた全国のみなさんの、不屈の魂の象徴です。サンサンと輝く太陽のような町にむけて、第一歩を踏み出しました。
生まれ変わった「南三陸志津川さんさん商店街」で、みなさまとお会いできるのを楽しみにしております。
インフォメーション
さんさん商店街
住所:宮城県本吉郡南三陸町志津川字五日町51
さんさん商店街インフォメーションセンター
電話:0226-25-8903