2022年5月28日(土)に行われた配信ライブ、そして29日(日)第100回記念福興市でのステージ。震災後、幾度となく南三陸町を盛り上げてきたBig Band Liberty of Music(以下、LOM)の当日の様子やこれまでの思い、今後についてお届けします!
3年ぶりに南三陸を訪れたLiberty of Musicが町を盛り上げる!
これまで幾度となく復興期の南三陸町を訪れ、福興市やさんさん商店街などでの演奏で町民にパワーを与えていただいてきたBig Band Liberty of Music(以下、LOM)。今回は100回記念福興市に合わせて来町。2022年5月28日(土)には、南三陸なうチャンネルにて、福興市の前夜祭として配信ライブが行われました。
震災後、幾度となく南三陸町に訪れ、演奏で町民に元気やパワーを与えてきたLOM。新型コロナウイルスの感染拡大によって遠征ができなかったため、3年ぶりの現地演奏会。当日の配信はアーカイブも残っているのでぜひご覧ください。
誰もが知っている「あまちゃん オープニングテーマ」から始まり、「北の旅人」「みちのくひとり旅」「男と女のラブゲーム」など町の皆さんが喜ぶ、昭和歌謡を一時間たっぷり披露!
宿泊者であり演奏会のお客さんの笑顔はもちろん、LOMの皆さんの笑顔が溢れていて優しい音色とともに穏やかな空気が流れていました。
そして!前夜祭を締めくくる曲は…松平健さんの「マツケンサンバ」!
曲の始まりとともに、登場したのは、なんとっ!前夜祭のMVP、直樹さん!華麗な舞を披露頂きました。ぜひアーカイブ映像でご視聴ください。
日付が変わって、福興市当日。震災後わずか1ヶ月でスタートした福興市の100回記念開催となり多くのお客様が集うなか、LOMは、ステージプログラムの大トリを務めます。
カンカン照りなおかつ風が結構吹いている中での演奏。LOMの単独演奏はもちろん、MIKI Babyさんとのコラボ演奏に、会場の皆さんは聞き惚れていました。
演奏が終了すると、客席からは拍手喝采!
LOMの代表藤本さんは、「拍手で迎えてくれるのが、一番うれしいよね!」と今日一番の笑顔で語っていました。
被災地の雰囲気を一新してくれた音楽の力
LOMは、東日本大震災の3年後(2014年)から南三陸町で活動を始めました。
きっかけは、MARUwDA311(読:まるーだ・さん・いち・いち)が東京で復興支援を行っており、そのご縁で、南三陸でライブをやらないか?という話から、年一回のペースで福興市での演奏やさんさん商店街などでの単独ライブを、これまで8年間続けてきました。
LOMは南三陸で演奏する際に、大切にしていることがあるといいます。
それは、とにかく明るい曲・エネルギッシュな曲を披露すること。被災地での演奏会ではしっとりとした曲やスローテンポの曲が演奏されることも多かったそうですが、LOMではポップな曲やアップテンポの曲、演歌などで聴いている人に楽しんでニコニコしてもらうことを、第一に演目を考えることを活動理念にしています。それは、今回の配信ライブや福興市の会場でも貫かれており、思わず観客が笑顔になってしまうような、演奏がされていました。
そして、LOMが南三陸演奏会を実施するときに、演奏以外に行っている活動があります。それは、“募金活動”。
町内にある、志津川中学校や歌津中学校の吹奏楽部に向けて、毎年募金を集め、手渡しで町の方にお渡しをしています。
その理由をLOMの代表藤本さんに伺ったところ、「僕が、吹奏楽部出身なんですけど、これからの夏コンクールとかは、お金がかかるんですよね。それで、微々たるものですけどよかったら使ってもらえれば」と。また、「誰かに頼むと、望んだ場所にいかない可能性があるんですよね。どこ行っちゃったんだろうってなるので、それよりかは、直接自分が来て渡したよっていう募金した甲斐を実感することのために直接お渡しをしている」と話していました。
町民に演奏を通して笑顔を届け、若い世代に活動支援を行う。
各世代に適した活動を行い、皆さんが楽しんでニコニコしてくれることを大切に、活動していることが見えてきました。
そして、町民にもお話を伺ったところLOMが南三陸町にもたらした影響も見えてきました。
「震災後、歌うことをしてこなかった。歌う雰囲気ではなかったなか、LOMが南三陸を訪れ、演奏をする。徐々に、みんなで歌えるように変わっていった。震災後、初めて歌ったのがLOMが来てくれたときだったな。LOMは被災地の雰囲気を一新してくれた団体なんだ」と当時を思い起こしながらしんみりと語ってくれました。
かつては、LOMの演奏を背に町民の皆さんが歌詞カードを手にして歌を歌う。そんな光景が広がっていたのです。
福興市が終わっても、LOMと南三陸のつながりは終わらない!
福興市は、2022年5月29日に行われた100回記念 福興市大感謝祭を最後に、幕を閉じます。
今後について代表に伺ったところ、「毎年九月末に来たい」「年一で、無理やり来る!(笑)」と、既に次回に向けて意気込んでいました。
前夜祭も、福興市当日も新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、声を出して歌うことができませんでした。震災後、町民が歌うきっかけになったLOMの醍醐味とも言える“大合唱”。
コロナ終息後、みんなでいっしょに「兄弟船」を歌える日が再び訪れることを心待ちに…今後の、Big Band Liberty of musicの活動に乞うご期待です!