7月25日に入谷地区で「入谷の田んぼの生きものきもの研究」が行われました。昼と夜の2部で行われ、入谷の子どもたちや近隣住民が参加。実はこの入谷地区、県内でも上位に入るほど田んぼに生息する生きものが豊富です。当日観察した生きものたちと共に、イベントの様子をお伝えします。
入谷生きもの研究実施!
中干と呼ばれる工程が終わり、田んぼに再び水が張られるこの季節。ムシムシとした曇り空の中、「生きもの研究」が昼と夜の二部構成で行われ、夏休みに入ったばかりの子どもたちや近隣住民が参加しました。講師に入谷地区で何度も生物調査を行っている向井康夫先生案内のもと行われました。
向井先生は県内を中心に、様々な場所で生きもの観察や子ども向けのイベントを実施しています。これまでも、入谷小学校の子どもたちを対象にした生きもの観察を行っています。今回参加した子どもたちの中には、向井先生を知っている子もおり、「むかっち博士」の愛称で親しまれていました。
カエルにコウモリ!盛りだくさんの研究会
昼の部では、カエルを中心に水辺に生息する生きものの採取と観察を行いました。子どもたちは、虫捕り網や素手で生きものを捕獲。大小様々な生き物たちを捕まえることが出来ました。捕まえた生きもので一番多かったのは、やはりカエル。同じ種類のカエルでも、大きさも違えば模様も少しずつ違っていました。それぞれ捕まえたカエルを観察して、特徴を捉えてスケッチ。その後は、水中の生き物たちをルーペで観察しました。
夜の部では、生きものの声を聞きながら入谷地区を散策。カエルの声の聞き分けや、バット・ディテクター(コウモリ探知機)を使って、コウモリを探しました。場所によっては、虫の声も聞くことが出来ました。すべての水辺に同じカエルが生息しているとは限らず、地形や環境によって聞こえてくる声も様々。大きく3種類のカエルの鳴き声を確認することができました。
夜の部に参加した大人の参加者からは「耳を澄ましてみると多くのカエルたちがいるんだ」といった感想がでていました。子どもたちに限らず、大人にとっても住み慣れた地域の魅力を再発見するような機会になったようです。
地元の人にとってみれば、当たり前のようにいる生きものたちですが、入谷地区の田んぼに生息している生きものは、約60~70種類と県内でも多いと話す向井先生。田畑のすぐそばに雑木林や杉林があること、谷型の地形、冬にあまり乾燥しないといった入谷地区特有の自然環境が影響しているのではないかと話します。
生きものの不思議さ、面白さを伝えたい
小さい時から生きもの観察が好きだった向井先生。こういった観察活動を通して、子どもたちに「面白い、楽しい」と思ってもらいたい。また大人も、地元の生態系に目を向けるきっかけになって欲しいと言います。
現在は県内を中心に、今回のような、観察会や生きもの調査を各地で実施し、生きもの観察の面白さを伝える活動をしている向井先生。今後も入谷地区のみならず、観察会などのイベントを県内各地で予定しています。
今回の観察会では子どもはもちろんのこと、大人も楽しむことが出来ました。普段の生活では、生きものを観察する機会はないものです。海洋生物に限らず、里の生きものたちも豊富である南三陸町。豊富な生きものが生息しているのも、この町の魅力です。みなさんも身近な生きものを観察してみては、いかがでしょうか?新たな発見があるかもしれません。