さんさんに響く歓声、奥入谷きらめき人達

2548

シリーズ「きらめき人」。今回は、スペシャルバージョン=きらめき人達を取り上げます。旧林際小学校の校庭にご近所のみなさんが集まってグラウンドゴルフを楽しんでいます。この小学校の卒業生を中心に、入谷8区・9区・10区で暮らす方々の歓声が「さんさん」に響く様子を紹介します。

定例会は毎月15日

取材日(10月15日)午前9時、旧林際小学校には続々と住民が集まってきました。

「農作業や何やらで結構年寄りも忙しいんだ。月に一回しかやれないけど、楽しみにしてくれている」と、お世話役の一人阿部忠雄さんが教えてくれました。

「あら~、久しぶり。元気だった~?」手を振りながら笑顔で女性がやってきました。

毎月一回の定例会ですが、おのおのの事情で欠席したり悪天候で中止になったりする場合もあり、全員が必ず参加できるわけではないとのことです。

「今回の参加者は・・・14人だね。三つの組に分かれてプレイしましょう。今日は、10区に引っ越してきた鈴木さんが初参加です」と、進行役の山内さんが開会の挨拶と筆者を紹介してくれました。

「こんな山村にお出で頂いて、大歓迎です。ところで、あんだなんぼ(何歳)っしゃ?」

グラウンドゴルフが楽しみでしょうがないというご婦人が笑顔で問いかけてきました。

「あ、はい。62歳です。一昨年10区・押舘に移り住みました。よろしくお願いします」少し緊張気味に自己紹介をすると・・・

「あ~~、あそこの方ね。知っているよ。まだ若いっちゃ、オレよりもとお(10歳)も下だ。いいな~」

「あんだも10年前は、この人みでぐ(みたいに)若かったぞ」

「ほだな、(そうだね)もっと先輩いるから、オレも負けていらんねっちゃね~」

最高齢84歳の方に視線を向けながら朗らかに笑うと、開会式の雰囲気は一気に和みました。

ナイスショット~!!のはずが…

さんさん館の校庭には小粒の砕石がきれいに敷き詰められています。もともとは土のグラウンドだったので、雨が降るとすぐぬかるんで使えなくなります。町にお願いして整備して頂いていると伺いました。

「良~し!、いいぞ。そのままイケー!!」

いつもの感覚で、狙い通りに打ったティーショットなのでしょう。会心の一打はゴールに向かって・・・「え~、あら~どございぐんだべ~。アハハハ」

何せ校庭の地盤が軟弱なもので、いくら砕石を敷き詰めても車が走れば轍(わだち)ができる。尖った砕石にボールがはじかれる。このコースは思いもよらないトラップ?(罠)も攻略しなければなりません。そんなハプニングまでも楽しむ皆さんの表情はとても明るく素敵です。

八つのコースを一巡すると休憩になります。これがまた、入谷らしくてすばらしい。お互い健康状態や近況を語り合ったり、年末に向けての活動等を確認し合ったり。さらに、蒸かした芋やお菓子なども配られます。

もう少し、やっぺっちゃ~。

第2ラウンドになると、さすがにグラウンドコンディションが分かったのか、極端にコースを外れたりしないで順調に進む方が多くなりました。一回目よりはるかに速いプレイに満足したのか「え~、止めんのすか~?もう一回やりすぺ」という声も上がりましたが、「何事も八分目が一番良いんだから」とリーダーが笑いながら諭します。

「週末には、戸倉で大会あるんだけど、出られる方はどれくらいいらっしゃいますか?」

お世話役の山内さんが呼びかけます。入谷地域では稲刈りや脱穀もほぼ終わりですが、農家の仕事や土日の用事も重なり出場できない方が多いようですね。

「大会に出るのが目的ではない。一か月に一回、こうやって集まって楽しむのが良いんだね」

気軽にできるグラウンドゴルフは、地域の方々の交流や健康維持にもってこいのスポーツです。

「また、来月会うべしね~、倒れねでごじゃせよ~」(病気にならず参加してね)最後まで笑顔の絶えない仲間たち。今月の定例会でも歓声が、秋深まりゆく・さんさん(三山)《惣内山、神行堂山、童子山》に響き渡りました。

いいね!して
南三陸を応援

フォローする