夏の海辺で音楽フェス 第3回「UTAKKO BURUME 2018」

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写真提供:南三陸音楽フェスティバル実行委員会

2016年から今年で3度目を迎える音楽フェス「UTAKKO BURUME」が7月15日(日)、荒島・楽天パークにて開催されました。同時に隣のサンオーレそではま海水浴場でも海開きがおこなわれ、大勢の若者や家族連れで海岸全体が賑わっている真夏日でした。

音楽のチカラで、町・人・想いが、ひとつになる

「UTAKKO BURUME」=「うたっこぶるめ」とは、地元の言葉で「歌を振る舞う晴れ舞台」のこと。この音楽フェスは、何より南三陸に魅力を感じている地元の出身者と、町外からの移住者、南三陸町には住んでいないけれど町のことを想っている人たち、そして南三陸町が一体となり実現している音楽フェスです。

若者たちを中心に有志で活動している「南三陸音楽フェスティバル実行委員会」は、この音楽フェスを南三陸からの“お振る舞い”だと考えています。ボランティアをまとめるリーダーでもあり、実行委員長の佐藤一也さんにインタビュー。今回3回目を迎えたUTAKKO BURUMEについて「南三陸町を盛り上げたい気持ちはありましたが、自分たちだけでは実現しなかったイベントだと思います。実行委員会の運営メンバー10名のうち、半数以上が移住者なのです。私のような地元の人と、新しい移住者の人が協力してはじめてできたものなのだと思います」

もっと地域の人たちとのつながりがほしい・・・。そしてこの町をみんなで盛り上げていきたい・・・。そんな移住してきた若者たちの想いと地元の若者の想いがひとつになって、新しいイベントを創り上げることにつながったのかもしれません。

登米市から参加した二人組。お目当ては「竹森マサユキ」さん。Twitterで今回のイベント出演を知ったという

10年、20年と続いていく音楽フェスにするために

2016年に開催された初の「UTAKKO BURUME〜南三陸 ミナサンフェス〜」は、NHK仙台放送局と南三陸町の主催のもと、南三陸町総合体育館「ベイサイドアリーナ」内特設ステージで行われていました。豊富な予算のもと、有名アーティストも出演する大規模なイベントとなり大盛況に終わりました。運営を担ったのは南三陸音楽フェスティバル実行委員会と、当日ボランティアの人たち。音楽のもつパワーや魅力を実感した実行委員たちは「UTAKKO BURUME」をこのまま一度限りで終わらせたくない!と思い、「10年、20年と続け、町に音楽を定着させよう!」と決意をしました。

しかし「UTAKKO BURUME」は当初は1度きりのイベントとして行われていたため、第2回目の開催からは予算規模が10分の1以下という状態での企画・運営を行わなければなりませんでした。大幅な予算の減額。その中でフリーライブの企画をすすめていくことは容易ではないことは分かっていましたが、“小さくても続けること”を大切に、より南三陸らしい、地元色満載の音楽フェスを目指して、企画をスタートさせました。前年と比べて予算・人員ともに大幅な縮小となりましたが、ボランティアの協力、町内の40近い企業から協賛をいただくなど、町の人たちのサポートをもらいながら、なんとか開催することができました。2017年は旧志津川仮設魚市場を会場に、そして今年2018年夏、念願の海岸のそばである荒島・楽天パークにて開催されました。

写真撮影のボランティアとして参加していた小駒 梓さん(左)、藤田 葉さん(右)

若者が集まるきっかけづくりを

「南三陸町には、福興市をはじめ、よいイベントがたくさんありますが、音楽というツールを使うことによってより地元や町外の若者たちを呼び込めるのではないかと感じていました」と実行委員の井尻一典さんは話します。

しかし、今回の「UTAKKO BURUME」に集まってきた参加者たちに声をかけてみると、「竹森マサユキさんがでるってTwitterで知って観に来ました!」とSNSで好きなアーティストが出演する情報をキャッチして応援にきたファンの人たちや、「こういう機会にしかこれないから」とはるばる東京・神奈川方面からボランティアでやってきた女性カメラマンたちなど、20代でアクティブな人たちが多くみられました。

この音楽フェスをきっかけに、たくさんの若者たちが音楽を楽しむのはもちろんのこと、町の人たちと触れ合って、もっと南三陸の魅力を知ってもらえると嬉しいと思いました。

学生ボランティアも多く参加。若者が主体となってイベント運営・まちづくりをしていきます。

一緒にフェスを盛り上げてくれた出演者・出店者たち

サンプラザ中野くん、Celeina Ann(セレイナ・アン)、竹森マサユキ、中村マサトシさんなど、東北各地で活躍する有名アーティストが登場しました。その中でも印象に残ったのは、仙台で結成されたロックバンド「カラーボトル」のギターボーカル、竹森マサユキさんの言葉。

ステージMCで「このイベントのために汗を流している実行委員の人たち、本当にありがとう!」と発信。この音楽フェスが今年も継続することができたのは、1年を通して準備や資金集めに奮闘してきた実行委員会メンバーのおかげだからです。また運営メンバーからは「自分たちの力だけではどうにもならないところを、イベントの経験豊富な福興市の出店関係者の方々からアドバイスをもらいました」と言われました。ひとつの音楽フェスを実現・継続させるために実に多くの人たちが関わっています。そしてお互いに支え合い、協力し合っています。

皆の想いはひとつ「南三陸町を盛り上げていくこと」。

2019年の「UTAKKO BURUME」にはどんな面白い人たちが関わってくるのだろう。これからも音楽のチカラ・イベントのチカラで町を盛り上げていってほしいと思います。

写真提供:南三陸音楽フェスティバル実行委員会

 

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