循環の成果のひとつに!南三陸BIOの「カーボン・オフセット」

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バイオガス施設「南三陸BIO」の事業活動にかかる2016年度CO2排出量を、町内の南三陸森林組合等が管理するFSC認証林が発行するクレジットによってカーボン・オフセットしました。9月1日には「カーボン・オフセット認証」を取得。南三陸町の持続可能なまちづくりへの挑戦はさらにすすんでいます。

森・里・海で広がる循環型社会への取り組み

分水嶺に囲まれ、森・里・海の恵みが豊かな南三陸町。大きな被害を受けた東日本大震災からの復興にあたり、人と環境にやさしく災害に強いまちづくりをめざした「南三陸町バイオマス産業都市構想」を策定。町全体で持続可能な循環型社会への取り組みをすすめています。

町の70%以上を占める山林では、適切な維持管理を行っていることの国際認証であるFSC®認証を取得。さらに海では持続可能な養殖業を認証する国際認証ASCを取得しました。
この山と海の二つの国際認証を取得した団体が両方存在する自治体は、日本初、世界でも非常に稀な事例であり、大きな注目を集めています。
また2015年から稼働している「南三陸BIO」は、南三陸町の家庭や店舗から排出される生ごみやし尿汚泥などの有機系廃棄物を発酵処理し、バイオガスと液体肥料を生み出すバイオガス施設です。バイオガスは発電に用いるなど施設内で利用し、液肥は肥料として農地に散布します。この事業により、これまで廃棄物として処理されていた地域の生ごみなどが資源として域内で循環する仕組みが確立しました。

森里海がコンパクトにまとまる南三陸町

カーボン・オフセットの取り組みも町内で実施

そんな南三陸BIOでさらなる町の循環を強める取り組みが行われました。それは「カーボン・オフセット認証」の取得です。
南三陸BIOが稼働することによって発生した二酸化炭素量を、南三陸町内の事業者である株式会社佐久や南三陸森林組合のFSC®認証林から発行されたクレジットによって「カーボン・オフセット」しました。9月1日には「カーボン・オフセット認証」を取得しました。

今回の「カーボン・オフセット」の対象は2016年度の南三陸BIOの稼働によって排出されたCO2量(約113t-CO2)を範囲としています。

町内の循環の取り組みの象徴的な施設でもある南三陸BIOで発生したCO2を、町内のFSC®認証林のクレジットで相殺することで、南三陸町の資源・エネルギー循環の取組みがますます強化されることにつながります。

草木が生い茂るFSC認証林

そもそも「カーボン・オフセット」とは?

そもそも「カーボン・オフセット」とはどういったものでしょうか?
「カーボン・オフセット」とは、地球温暖化の原因といわれる二酸化炭素を減らそうとする取り組みのひとつです。
日常生活や企業活動のなかでどうしても排出してしまう二酸化炭素。各企業や自治体が排出を削減する努力を行った上でどうしても排出されてしまう排出分を、植林・森林保護・クリーンエネルギー事業(排出権購入)による削減活動によって「他の場所」で直接的、間接的に吸収しようとする考え方や活動です。
そして、「カーボン・オフセット認証」は、製品、サービス、会議・イベントにおいて、カーボンオフセット協会の定める「カーボン・オフセットの取組に対する第三者認証機関による認証基準」を満たしている「カーボン・オフセット」の取り組みを認証する仕組みです。

南三陸BIOで今回「カーボン・オフセット認証」を取得したことは、環境に配慮しながら施設運営を行っていることの証明でもあります。

 

持続可能なまちへの挑戦のひとつの成果

「カーボン・オフセット」の取り組みで、同一自治体内でCO2を相殺することができるのは、森里海の資源に恵まれ、町全体で環境に配慮した持続可能な取り組みを行っている南三陸町だからこそ。今回の「カーボン・オフセット認証」は、持続可能なまちづくりに向けた取り組みのひとつの成果と言えることができるでしょう。

「森里海ひと いのちめぐるまち」を掲げる南三陸町にとって、地球温暖化対策なども避けては通れない課題のひとつでしょう。持続可能な循環型のまちづくりをより深めていくことがその近道になるのかもしれません。

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