歡迎來到南三陸!台湾インバウンドの取り組み

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現在町では、台湾を対象とした外国人誘致に、積極的に取り組んでいます。南三陸病院建設に際し多額の寄付金をいただいたご縁から始まった台湾との交流事業について、お話を伺ってきました。

インバウンド事業

近年頻繁に聞かれるようになった「インバウンド」という言葉、ご存知ですか?外国人が訪れてくる旅行のことを「インバウンド」と言い、しばしば訪日旅行・訪日外国人旅行と訳されます。

町では、交流による町の活性化を図り、町の抱える人口減少や震災の風化などの課題に立ち向かうべく、観光地域づくりに取り組んでいます。

その一取り組みとして、インバウンド事業を導入し、特に台湾を対象としたプロモーションを積極的におこなっています。

南三陸町観光協会の及川和人さんに、その通り組みについて伺ってきました。

なぜ台湾がターゲットなのか?

東日本大震災によって被災し、これまで仮設にて開所されていた南三陸病院が、2015年ようやく復旧しました。

約56億円もの建設費のうち、なんと22億円が台湾紅十字を経由した台湾からの寄付金でした。

これを受け2014年からは、この温かいご支援に応えるべく、町長や各産業団体・病院関係者などが台湾を表敬訪問し、「台湾ありがとうキャンペーン」を行ってきました。

一方的なもの・一時的なものとして終わらせず、将来の“相互交流”につなげていこうと、台湾インバウンド事業は始まりました。

台湾からのインバウンドに加え、日本からのアウトバウンドを推進し、交流によって感謝の気持ちを思い出すこと・直接お礼を言う機会を作ること、を目的にしています。

また、台湾の方々にとっても来日し南三陸病院を訪問することで、自分たちの支援の結果が形になって見える喜びがあると言います。

宮城県としても観光連盟が2014年に台湾の台南市台日友好交流協会と「教育旅行に関する覚書」を締結し、台湾インバウンドを推進していたり、仙台空港の民営化による台湾直行便の就航なども、その背景にあります。

PRと受け入れ態勢の整備

現在の主なターゲットは修学旅行や教育旅行。

個人旅行者にとって交通の便や言語環境が未だ整っていないことを受け、町や県と連動した学校関係者へのプロモーションに取り組んでいます。

現地の学校を訪問し、校長先生へ相談に伺ったり、また学校関係者を町内へ招聘しモニターツアー等をおこなっています。

加えて、2015年からは町内で中国語講座を開講し、初年度は約15名が参加しました。

受講してすぐにしゃべれるようになるわけではありませんが、まずは台湾の方々との交流に一歩関わってみようと、機運が高まる方も多かったそう。

また、ポータルセンターの案内板や観光パンフレット、facebookやweb等も、英語化に先んじて中国語に対応。

及川さんはじめ観光協会職員のみなさんも、簡単なあいさつなどの練習に取り組んでいらっしゃいます。

学生インターンの受け入れ

2016年には、20名ほどの台湾の学生が最長2か月にも渡って町に滞在し、観光協会やホテル観洋でのインターンシップを経験しました。

台湾には日本語を学ぶ学生が非常に多く、実践の場を求めるニーズも少なくないそう。

観光協会では12名の学生が、資料の多言語化や情報発信などに従事してもらったほか、彼らの在籍する大学とのつながりが生まれたり、「南三陸交流大使」として帰国後も発信者になってもらうなど大活躍。

特に、当の本人である台湾の人の目線で、台湾をターゲットとしたツアーの企画を行ってもらえたことが大きな成果だったとのこと。

ホヤが人気だったり、シンプルでポップな広告が好まれるなど、意外なことも多かったそうです。

2か月の滞在をホームステイで過ごし、町の家庭とも交流を深めた学生たち。

各家庭のお母さんたちとLINEの交換をし、涙ながらに帰国して行きましたが、現地でも営業の際などにはお手伝いをしてくれています。

町の強みは?また課題は?

県内その他の市町村も取り組んでいる台湾インターン。他市町村と異なるこの町の強みは何でしょうか?

1つはまず、事の始まりでもある「病院ありがとう」のつながり。

導入に際して縁・ゆかりがあることで興味を持ってもらいやすく、またこれを通じた震災・防災学習につながっていけることだそう。

また、海・山・里と多様な環境が広がり、そこで営まれる一次産業が体験することができること。

こうした景色が“日本の田舎らしさ”として人気なことに加え、民泊を通じてその中にくらしを置き、地元の人との交流も深めることができます。

ビジターセンターの存在なども活かし、マリンスポーツの体験やアカデミックな学習メニューなども取り入れて行きたいと考えているそうですが、意外と先方のニーズがないとのこと。

一方で、景勝地や世界遺産、温泉や雪景色、買い物などの都市型観光などは、この町だけでは提供しきれないものでもあります。

仙台を発着口とし、他市町村と広く大きく連携していくことが、今後の課題・目標となっています。

今後の展望は?

「受け入れ人数が増えて行く、という成果より、地域に大きな変化を生んでいる、という実感が強い」と及川さん。

今後は、今まで関わってこなかった人たちや、いろいろなジャンルの町の人たちと関わり、交流のすそ野を広げて行きたいと話してくださいました。

まだまだハードの復旧は不足していますが、それを補うほどの多様で魅力的な人がいる南三陸町。

これを強みにいろいろな人に関わってもらい、町の人にとってもそれが生きがいや、やりがいになって欲しいとおっしゃっていました。

またアウトバウンドにも取り組み、町の人が新しい世界へ出て行く経験も積んでほしいとのこと。

その際にはきっと交流大使の学生たちが案内をしてくれるのでしょう。

震災を機に生まれたご縁と感謝を大切に、今後も盛んな相互交流が続くと良いですね。

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