JF宮城 戸倉出張所

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7月26日(金)。梅雨模様の天気の中、宮城県漁業協同組合、志津川支所の戸倉出張所を訪問してきました。山に挟まれた小さな浜をいくつも持つ戸倉地区では、今回の津波で甚大な被害を受けました。組合員の8割が家屋を全半壊。9割が船を流されたり故障したりで使えない状況。

組合としての事務所がなくなってしまった震災直後は、南三陸森林組合の会議室を借りて、なんとか営業を再開。2011年9月には、漁協の志津川支所としてプレハブ事務所を作ったのでそこに移転し、2012年3月には、森林組合さんやNPOの方々の支援で、現在の戸倉出張所を新設しました。

当初、海中に大量のガレキが沈んでいると再開が難しいだろうという懸念もあったそうですが、数ヶ月にわたる浚渫(しゅんせつ)船の片付け作業によって、ワカメ養殖が再開できる環境になりました。

船が残ったのは1割の人だけだった状況の中で、組合員からは「個別ではなく皆で頑張ろう」という意見が出ます。そして、国の補助制度である「がんばる養殖復興支援事業」を活用して、96名のカキ・ワカメ・ホタテ部会と、6名のギンザケ部会を結成して養殖を再開。

復旧に伴い、より良い品質のカキを養殖するために震災前よりも施設数を減らして間隔を広げました。数は少なくなっても、今まで育てるのに3年かかっていたものが、1年でしっかり育つようになったそうです。養殖期間の短縮化や品質向上、増産に期待ができます。

また、今年の4月には、宮城県の漁協では初めてとなる直販所をオープン。

「どれだけ集客ができるのだろう?」という不安を抱えながらも、「どこにも負けないものを作ればお客さんも来てくれるはず」という思いで実現。目玉商品であるホヤを求めて、毎週土日は人がたくさん集まります。今ではリピーターの方も。

お話を伺ったのは、戸倉出張所 所長の阿部富士夫さんです。

「施設間隔を広げるときには正直、反発もありました。しかし、何にもなくなったことが、皆で頑張っていこうという思いの原点となり取り組むことができました。それに、自分たちだけでなく将来の後継者のためにも取り組んでいかなければならないという思いもあります。
今までに、いろんなNPOやボランティアの方々が手伝ってくれて、なんとか前に進めています。
「がんばる養殖」も今年で2年目。この事業は3年間で終了し、その後はまた個々の漁師として経営をしていくので、これからは自立に向けての準備が必要になってきます。」

グループ化の根底にあるのは共助の精神。本格復旧する日を待ち望んでいます。

■宮城県漁業協同組合 志津川支所 戸倉出張所
住所:南三陸町戸倉津の宮1
電話:0226-46-9211

 

 

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