第2話 決断の時は意外と早い!どこで産むか問題(後編)

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この連載では、移住者夫婦である筆者が、南三陸町で妊娠、出産を経験し、子育て(現在生後3ヶ月の女の子)に奮闘する中で「え、これって〇〇だったの?!」と感じたことを綴っていきます。そう、既に子どもを育てている方々には当たり前でも、自分が当事者にならなければ、知る由も無い!ということって意外と多かったんです。もちろん、現在も手探り状態で知らないことだらけですが…。田舎での子育てってどうなの?って思っている方や、これから子育てをしていこうという方へ、少しでも参考になればと願っています。

私が里帰り出産しなかった理由

【前回のお話はこちら】
「第1話 決断の時は意外と早い!どこで産むか問題(前編)」
http://m-now.net/2018/05/baby-1.html ‎

結論から言うと、私は里帰り出産はせず、石巻赤十字病院(後述より日赤)で産むことにしました。私たち夫婦は共に移住者で、私は愛媛県、夫は岩手県一関市に実家があります。そのため、妊娠中は会う人会う人二言目には「里帰り出産するの?」と聞かれました。三世代同居が多い南三陸町においては、夫婦二人だけで暮らしている私が里帰り出産にしないのは意外に思われていたようです。

しかし、私があえて里帰り出産にせず、南三陸で産もうと(実際産んだのは石巻の病院ですが)決めたのは、2つ理由があります。

1、産んでから新生児を抱えて帰ってくるのが大変

私の実家がある愛媛県と宮城県のアクセスは極めて悪く、新幹線を使っても8時間(そもそも四国に新幹線は通っていない)、飛行機を使おうとするなら、仙台空港まで車で1時間半の後、直通便がないので、関空で乗り換え、松山空港から実家までさらに車で1時間ということになります。

自分の身ひとつで帰省している道中にも、新幹線や飛行機の機内で小さい子を抱えたお母さんが、ぐずる我が子を一生懸命あやしている様子などを見るといたたまれない気持ちになり、自分が生後1ヶ月の新生児を抱えてこの道のりを帰ってくる自信はありませんでした。

2、夫のおいてけぼり感がかわいそう

なんで里帰りしなかったの?と人から聞かれた時には、主に1の理由を言っていたのですが、私の本音としてはこちらのほうが大きかったです。

もともと私も夫も子ども好きなほうではなく、小さい子を前にするとかわいいとは思うけど、いざ接しようとすると戸惑ってしまうようなタイプ。とはいえ、いざ我が子が生まれたら、母親である私はそれなりに慣れるはず。さらに実家にいれば私の母がよろこんで私や赤ちゃんのお世話をしてくれるでしょう。そうすれば夫の置いてけぼり感はどんどん強まって、だんだん育児から遠ざかって行くのが(自分も同じタイプだからこそ)安易に想像できたからです。

何より、初めて子どもが生まれるというその日々を、誰よりも夫と共有したかったし、できるだけ私と赤ちゃんのそばにいて欲しかったのです。

しかし、実母は私に里帰りをして欲しかったらしく、9ヶ月ごろまで、本当にそっちで産むの?と何度も言われました。遠くに嫁いだ分、一人目の子くらい側で産んであげるのが親孝行かなと思ったりもしましたが、いや、側にいるべきは子の父親だろうと、そこはわがままを言わせてもらいました。

そのかいあってか、退院してからずっと赤ちゃんのお風呂入れは夫の仕事。人前で抱っこ紐を使うのも全く嫌がらないイクメンになりました。

イラスト:高橋美花

頼るべきはおばあちゃん

ということで、里帰りはせずにこっちで産もう!というのを決めました。しかし、産後自分がどれだけ動けるか、赤ちゃんのお世話がスムーズにできるかは自信がなかったので、退院後は実母と義母に1週間ずつ手伝いにきてもらうことにしました。

結果としては、どちらの親も張り切って産後の私や赤ちゃんのお世話をしてくれました。家で家事+仕事+夫の世話をするより、うちで家事+孫のお世話をしていたほうが楽しかったようで、本当にイキイキしていました。また、この期間は夫の母親に初めてちゃんと頼った瞬間でした。

義理の両親は現役で会社を営んでいることもあり、頼ることに関しては遠慮がありました。しかし南三陸は、まだまだ三世代同居も多く、何かあればまずおばあちゃんに頼るのが当たり前。都会のようにベビーシッターや一時預かり、病児保育のできる施設などもありません。これから何かと頼らざるをえない場面も出てくると思うので、ここで「頼りグセ」をつけることができたのは、自分にとっても良かったと思います。

イラスト:高橋美花

さて、病院はどこにする?

里帰りするかしないかが決まったら、次は病院をどこにするか、です。

これは、他の産院はろくに調べもせずに石巻赤十字病院(日赤)に決めました。理由としては、検診の半分を南三陸病院で受けられるという点と、医療面では最も安心だろうと思った点です。

日赤はエリア内の中枢を担う救急病院でもあるので、例えば個人経営の産院などで手に負えないとなった救急の患者さんなども受け入れています。NICU(新生児集中治療室)も設置されているので、赤ちゃんに何かあった場合でもすぐに処置してもらえます。

しかし、大病院であるがゆえに検診のたびの待ち時間が長く、「順調ですね」と言われるだけの検診でも半日仕事・・・というのが難点でした。また、日赤は立ち合い出産は行っていません。(月に何組かだけ試験的に立ち会いを許可されているそうです)そういった点も、日赤に通い始めてからわかったことなので、もっと事前に下調べしておけばよかったなあという思いもあります。

とはいえ、先生も助産師さんもプロフェッショナルで感じのいい方ばかりだったので、日赤にしてよかったと今は思っています。

実際の出産のときの様子や、何気に辛かった入院生活について等もこの連載のなかで語っていけたらと思いますので、ぜひお付き合いください。

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