南三陸さんさん商店街の今までとこれから。移転先でもおもてなしを!

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「南三陸さんさん商店街」今までとこれから。移転先でもおもてなしを!

2012年2月25日にオープンした「南三陸さんさん商店街」は、交流の場や観光スポットとしてにぎわいを生んできました。来年3月の本設商店街への移転を前に、さんさん商店街の歩みと果たしてきた役割を振り返ります。

はじまりは震災後の「福興市」

「南三陸さんさん商店街」の前身は、東日本大震災の翌月に始まった「福興市」という名のテント市です。被災した商店主らが立ち上がり、全国の商店街と連携した「ぼうさい朝市ネットワーク」の支援により実現しました。以来、福興市は、現在まで途切れることなく毎月最終日曜日に開催されています。

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2011年4月29・30日に志津川中学校で開催された第1回福興市

福興市を続けるなか、2011年夏ごろに仮設商店街の話が持ち上がりました。2011年10・11月の福興市では出店者の半分以上が南三陸町内の業者となり、仮設商店街の実現に弾みがつきました。そして2012年2月25日、29店舗で「南三陸さんさん商店街」が誕生したのです。

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オープン当日、大雪のなかで行われたテープカットの様子

“巡る楽しさ”と“交流”のある商店街を

さんさん商店街オープン当時の様子を、初代組合長の及川善祐さんは次のように振り返ります。「とにかく『町の復興は商人から!』という思いで、一生懸命でしたね。商店街が活気づけば、そこで働く人たちが潤うのはもちろんのこと、震災後に町を離れた人々も戻ってきてくれるはずだと信じて……」。

「さんさん商店街の特徴は、1軒1軒のお店を訪ねて回ることができる回遊性・周遊性です。中心には、自由に飲食ができるフードコートや、センターコートを設けました。ステージでは頻繁にイベントも行われており、人々の交流の場になっています」と及川さんは話します。

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南三陸さんさん商店街の初代組合長、「及善蒲鉾店」の及川善祐さん

交流の拠点、コミュニティ再生の場として

“交流の場”としての商店街という点については、さんさん商店街の現組合長である阿部忠彦さんも強調しています。「商店街というのは単にモノやサービスを提供する場ではありません。交流の拠点、特に地元の人々が交流を楽しめる場でないといけないと思っています。町民に愛され、大いに活用してもらえる商店街を目指してきました。震災後に分断されてしまったコミュニティを、再生・維持するための役割を果せたらと」。

町民のなかには、おしゃべりが目的で商店街を訪れる人も多いそうです。「ただ、高齢者の方々は家に引きこもりがちなので、どうやったら足を運んでもらえるか、あれこれ考えました。日中は観光客で込み合いますし、夕方は出かけるのが億劫だという人が多い……。そこで、朝市を企画しました。みんなでラジオ体操をして一緒に朝ごはんを食べましょう、と。2015年6月にスタートし、町民の間でも定着してきたように思います」。

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さんさん朝市恒例の「おらほのラジオ体操」は6時30分から

本設商店街のオープンに向けて

さんさん商店街ができて4年半ほどが経ちました。これまでの歩みを振り返って、及川さんは次のように話します。「全国のみなさまのご支援もあり、これまで、みんな一丸となって何とかがんばってくることができました。チームワークのよさ、ベクトルが同じで前を向いていることが、私たちの強みですね。でも『まだここ』だという思いもあります。これから5年、10年と、なんとか持続させていかなければ……」。

「南三陸さんさん商店街」今までとこれから。移転先でもおもてなしを!
本設商店街の完成イメージ。設計は建築家の隈研吾氏が手がけた 隈研吾事務所提供

さらに、2017年3月の本設商店街オープンに向けての抱負を伺いました。「新しい商店街は“まちびらき”の筆頭です。まちの繁栄の基礎固め、旗振り役を果たしていかねばなりません。大切にしたいのは、“南三陸ならでは”の商店街ということ。南三陸らしさを見失わず、中身で勝負できる商店街にしていきたいですね。そして、町の外から来られるお客さんだけでなく、町民に愛される、町民が誇りに思える商店街を目指します!」と及川さん。

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新しい商店街は木造平屋の6棟から成り、建築材に南三陸杉を使用する 隈研吾事務所提供

“おもてなし”で観光を支える商店街に

阿部さんも、本設商店街のオープンに向けて、次のように期待と意気込みを語ってくれました。「本設商店街は、新しい町並みづくりの第一歩。どんな町並みになっていくのか、とても楽しみです。復興整備事業が遅れているため、本設商店街オープン時に周辺を工事車両が行き交うという事態になりそうなのが心配ですが、安心・安全を担保できるように最善を尽くします」。

「また、これからの観光は“顔が見える交流”が大事になってきます。商店街がその一翼を担うべく、今まで以上に“おもてなし”に力を入れていきたいですね。そのためには、お客さんに飽きられないように、常に新しい試みに取り組む必要があると考えています。そして、次の世代に商店街を担ってもらうために、若手にどんどん役割を移譲していくつもりです」と、阿部さんは未来像を描きます。

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本設商店街に期待を寄せる現組合長の阿部忠彦さん(阿部茶舗にて)

まちづくりにかける商人たちの意気込み

最後に、お二人から「南三陸なう」の読者のみなさんに向けてのメッセ―ジをいただきました。

「新しい商店街ができたら、南三陸町の復興の変遷をぜひ見ていただきたいですね。本設商店街は通過点でしかありません。そこを新たなスタートとして、にぎわいを生み出し、地元の方たちに喜んでいただけるように、がんばっていきます!」と阿部さん。

及川さんは町民に向けて、「老若男女が助け合って暮らせるまちになるよう、商人一同がんばっていきますので、叱咤激励をいただければ。『このまちが好き』と言えるようなまちづくりを、一緒にやっていきましょう!」と力を込めて呼びかけました。

復興のシンボルであり、交流と観光の拠点を担ってきた「南三陸さんさん商店街」。その役割は本設の商店街にも引き継がれ、さらに進化することでしょう。2017年3月のオープンが楽しみです!

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