新しい街で繰り広げられる世代間交流「七夕コンサート」

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春にオープンした「結の里」で、併設のデイサービス利用者さんと近隣の住民、そして向かいのあさひ幼稚園の子どもたちとの楽しい交流会「七夕コンサート」が開催されました。90歳代の方々とそのひ孫の世代の園児たちが、同じ曲を歌ったり踊ったり……感動の時間が流れました。

幼稚園児の歌声が梅雨空を晴らす

7月4日(水) 『七夕コンサート』と銘打ったこの日のイベント。

会場となった『結の里・ふれあい広場』には、様々な年代の方々が集まり大盛況でした。

オープニングを飾るのは、あさひ幼稚園のちびっ子たちです。元気いっぱいの歌声と愛らしい動作に集まった誰もが自然と笑顔になっていきます。心配された雨もやみ、梅雨空の隙間から明るい日差しが降り注ぎ始めました。

総合司会を務めるのは、このコンサート主催者「宮城県北部自立相談支援センター・ひありんく」の髙橋雅道さん。電子ピアノで伴奏しながらお得意の話術で会場を盛り上げます。

新たなご近所づきあいが進む

南三陸町では防災集団移転事業が進み、新たな街でのご近所さん付き合いが始まっています。

この地域でも、住民の暮らしやコミュニティを支援するLSA(ライフサポートアドバイザー)が中心となり普段から集会所などでお茶っこ飲みやミニイベントの時間を作っていますが、このような世代を超えた交流の機会は頻繁に行われるわけではないので、とても楽しみに待っていたようです。

同地区内の災害公営住宅で暮らし始めた山内章さん(82歳)は、「普段はお茶っこ飲みには寄らなくて朝晩女房と散歩してんのっさ。さっき病院から帰ったばかりだったけど、なんか賑やかそうなので来てみた。子どもたちの声が近くで聞こえるのはとっても良いね!」と笑顔でイベントを見つめていました。

子どもたちの歌や踊りに喜ぶ山内章さん

一方、大森地区の須藤豊さん(85歳)は、今日のイベント開催を近所の方から聞いたので自転車でやって来たそうです。本人は、自動車を運転できないのでどこに行くにも自転車なんだと言い、顔なじみの知人に会えるこのような機会には積極的に参加するよう心がけていると話して下さいました。

先日ご主人を亡くされたばかりの阿部しげ子さん(84歳)は、「娘が一緒に住んでくれているので安心、なるべく外に出て、仲良くなった皆さんとおしゃべりするのが楽しい」と語ります。

旭ヶ丘団地・東地区復興団地・デイサービスおよび社協職員それぞれによる出し物(仮装ダンス)が続き、会場は爆笑の渦に包まれました。

サプライズ!に、もらい泣き

デイサービスの職員から「今日誕生日の方がいらっしゃるんですけど」と突然の申し出があり、閉会のあいさつを始めようとした社協の高橋史佳さんが、粋な計らいを見せてくれました。

舞台中央に椅子を並べ誕生日を迎えたお2人を紹介して、集まった方々に「皆さん、ハッピーバースディを歌ってお祝いしましょう!!」と呼びかけたのです。

最初は照れまくっていたお2人でしたが、サプライズな出来事に思わず号泣してしまい、LSAや社協職員が感動のもらい泣き。

三歳児から90歳代の超高齢者の方々まで一堂に会して笑顔で過ごせた『七夕イベント』でした。このような取り組みがこれからも定期的に開かれると、住民同士の仲間意識がさらに深まりそうですね。

住民交流のお手伝いとよろず相談

今回の「七夕コンサート」を企画した「ひありんく」とは、NPO法人ワーカーズコープ大崎地域福祉事業所の自立相談支援センターの愛称です。就労支援員である髙橋雅道さんは、「皆さんも暮らしていくうえで様々な困りごとや悩みごと等が生じると思います。自分一人で抱えず気軽に相談できる組織ですので、利用してください。」と紹介していました。

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