子育てってお金がかかるものなのでしょうか?町の未来を担う子どもたちが健やかに育つため、経済的な支援も重要となってきます。町の子育てへの経済的支援にはどんなものがあるのでしょうか?
子どもの減少する南三陸町
まだ子育てはおろか、パートナーもみつからない筆者には、子どもを育てるのにいったいどれくらいのお金がかかるのか見当もつきません・・・。
お金を理由に子どもをもたない、というのはとてももったいない話。そこで国や行政は、子育てに要する様々なお金について、経済的な支援を行っています。
南三陸町ではどんな支援が行われているのでしょうか?他の市町村や国の平均と比べると、子育てしやすい町なのでしょうか?
そんな疑問に応えるべく、町保健福祉課の阿部好伸さん・佐々木由貴さんにお話を伺ってきました。
さまざまな種類の子育て経済支援策
―町の経済的な子育て支援にはどんなものがありますか?
中学校修了までのお子さんをもつご家庭向けには児童手当制度、ひとり親世帯などを支援する児童扶養手当、障害をもつお子さん向けの特別児童扶養手当などのほか、18歳までのお子さんについては、医療費の自己負担分を助成する子ども医療費助成も受けることができます。
―そんなにいろいろあるんですね!知らなかった。
また、平成28年8月1日からは「南三陸町子育て世帯応援券支給事業」の受付が始まりました。
―さらに新制度も始まるんですね。
保育所やこども園の保育料も国の基準の半額程度ですし、経済的な子育て支援についてはかなり手厚いと言えるでしょう。
子育て世帯応援券って?
―新しい町の事業として始まった「子育て世帯応援券」について教えてください。
「町総合戦略」のひとつとして実施される事業で、今年度から新規にスタートします。子育て世帯を対象に、町内の南三陸商店街連合会加盟店で使える商品券を配布するというものです。
―子育て世帯なら誰でも受け取れるんですか?
受給するための要件はありますがお子さんが生まれた時と、小学校に入学する時の計2回、受け取ることができます。
―1人につき計2回、ということですね。金額はいくらくらいもらえるんですか?
生まれたときの金額は、第1子で30,000円分、第2子で50,000円分、第3子以降はなんと100,000円分となっています。子ども3人で180,000円分、それ以降も1人につき100,000円分の商品券が支給される事業です。
―3つ子が生まれたらどうなりますか?
一度に180,000円もらえるはずですね!さらに小学校入学時にも1人につき一律10,000円分もらえます。
―うれしい事業ですね。
他市町村でも類似の事業を行っているところがありますが、それに比べて金額は高くなっています。
8/1から受付開始、9月から支給開始ですが、申請しないともらえないのでご注意ください。
他市町村と比べてみよう
町の子育て経済支援について、いくつかお聞きすることができました。
では他市町村と比べるとどうでしょうか?
「子育て世帯応援券」と似た取り組みとして、宮城県加美町が「子育て応援出産祝金」を支給しています。金額は第1子・第2子で20,000円分の商品券、第3子以降で50,000円分の商品券と現金50,000円とのこと。
一方で、福岡県の添田町では「添田町出産育児奨励金」として、出生児1名につき50,000円、加えて2児を養育中の第3子には200,000円、3児を養育中の第4子以降には500,000円もが支給されるとのこと。
全国で見れば、まだまだ手厚い自治体もあるようですが、こうした取り組みがあること自体貴重なようですので、ありがたいことですね。
経済的にも“住みやすい町”に
子育て世代の人口流出や、それに伴う子どもの人口減、高齢化による生業や賑わいの喪失。南三陸町ではこれらが複雑に関わり合い、喫緊の大きな課題となっています。
若者の流出を防ぎ、また移入人口を増やし、子育てしやすい町へと向かっていくことによって子どもが増え、未来の町を担う世代を継続的に維持していく取り組みが必要です。
ちなみに内閣府によれば、0~6歳までの子育て費用総額は、およそ平均1人あたり736万円とのこと。1つ歳をとるごとに100万円以上かかる計算となっています。
震災をきっかけに、仕事や住居、公共施設や公共サービスなど、暮らす上で不可欠な様々な要素を失ったことが、かつてからの課題に拍車をかけています。
町復興計画の目標の1つには「にぎわいとなりわいの町」が掲げられています。
経済的にも、もちろんその他の面でも子育てしやすい町へ、子どもがすくすくと健やかに暮らし育つ町へと、町民一丸となって進んでいきたいですね。