6月23日(木)南三陸町歌津地区で三校(歌津中学校、伊里前小学校、名足小学校)合同引き渡し訓練が行われました。教育機関、保護者、地域の連携を強化し、次の災害に備えています。
引き渡し訓練とは?
この引き渡し訓練は2011年3月11日に起こった東日本大震災を教訓に震災後から始まりました。大きな災害が発生し、児童だけでの下校が困難と判断したことを想定し、親が学校へ子どもを迎えに行き、学校から保護者に子どもを引き渡すという訓練です。
今回取材に伺った名足小学校では、地震・津波を想定し、小学校から徒歩約15分の高台にある名足こども園へ子ども達が避難し、そこで保護者の方へ引き渡されました。当日の天候はあいにくの雨で足元が悪く、避難は大変でしたが、子ども達は真剣に取り組んでいました。
この訓練は、緊急時における児童の安全と保護者、地域との連携をスムーズにするために行われています。児童、教員、保護者がそれぞれ災害に対して事前に訓練を行うことで、とっさの時にスムーズに対応できるよう行われています。
災害はいつ起こるか分かりません。このような訓練を機に、各家庭でも様々な状況を想定し、緊急時の安全確保や命の大切さについて考え直す機会となったことでしょう。
訓練に参加した保護者と子どもたちの感想
訓練を終えた親子に感想を尋ねました。
—子どもたちの感想
- 雨で靴が濡れて歩くのが大変だったけど無事に終わって良かった。
- いつも通り先生のいう事を聞いて真剣にできた。
- 下級生の世話をしながら一生懸命できた。
—保護者の感想
- 雨の中よく逃げて頑張ったと思う。
- 先生たちと連携が取れていてスムーズに訓練を行うことができた。
- 日頃の訓練が震災の時にとても役に立ち、今も学校との連携を図りながら子ども達、親も真剣に取り組めています。今後もいつ起こりうる震災に備えたいです
今年度から『防災タイム』はじまりました!!
今年度より名足小学校では、「防災タイム」を実施しています。
「有事の際の身の守り方や避難の仕方」といった具体的な防災の知識・理解から、「地震や津波の起こり方」といった根本的なメカニズムまでさまざまな学習機会を持っています。
東日本大震災だけでなく、チリ地震、三陸沖地震など数十年に一度は大きな地震や津波の被害のある南三陸町。この町で生きていくには、こうした防災・減災の教育の徹底が欠かせません。未来の悲しみを少しでも減らすために、「命の勉強」をしっかりと行っていくことが大切です。親と子ども、そして、学校との連携を取りながら、未来に続けていきたいと思います。