音楽の力で“心の復興”の手助けに。

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12月2日に戸倉復興公営住宅の集会所で東北ユースオーケストラによる有志演奏会が開催されました。当日は公営住宅に住む、住民約30名が来場し、会場は普段聞くことができない、バイオリンや金管楽器のハーモニーに包まれました。

小学生から大学生までのメンバーで結成されたオーケストラ

公営住宅の集会所に響く美しい音色。それを奏でているのは東北ユースオーケストラのみなさんです。

東北ユースオーケストラは、震災を機に設立された「こどもの音楽再生基金」をきっかけにはじまった活動。「戦場のメリークリスマス」などで世界的にも有名な坂本龍一さんを音楽監督として、福島県、宮城県、岩手県の被災3県出身の小学3年〜大学4年生の約100名で結成されました。

団員の多くが内陸部出身のため、津波の被害を経験した団員は少ないとのことですが、震災への思い入れが強く、音楽を通して「心の復興」の手助けになればとの思いで活動しているそうです。そのためオーケストラ団員100人ほどによるホールでの演奏会のほか、各地域を周り、有志演奏会を実施しているとのこと。

こういった演奏会は、被災した団員自身の傷を癒すとともに、多くの人との交流を通じた「成長の場」ともなっています。

バイオリンや金管楽器のハーモニーに包まれる

今回、戸倉復興公営住宅での演奏会開催にあたり、南三陸町で学生ツアーを企画・運営している学生団体Project Mが協力。3カ月ほど前から下見や打ち合わせを繰り返し、Project Mが会場のセッティングをするなどして12月2日の開催に至りました。

当日は公営住宅の住民ら30人ほどが来場。東北ユースオーケストラ団員は中学生から大学生までの5人が出演。バイオリンやチューバ、トロンボーンなど普段目にすることのない楽器の音色に来場者は聞き入っていました。演目は季節に合わせた、クリスマスメドレーや各楽器によるソロ演奏、その他、“ふるさと”や復興支援ソングで有名な“花は咲く”が演奏され、来場者は口ずさみながら鑑賞していました。

活動を通して感じたことをいろんな人に伝えていきたい!

演奏会後、地域住民と交流会も行い、団員は震災当時の話や今の生活状況などを聞いていました。また、住民側からも「いつからやっているの?」「この楽器はどれくらいするの?」「重さは?」などの質問もあり、時折驚きの声も上がりながら楽しいひと時を過ごしていました。

今回の演奏会でリーダーを務めた、福島県出身、福島高校1年の山﨑優子さんは「どれだけの人が集まってくれるか心配だったが、たくさんの人に来ていただいてよかった。何より来てくださった方々が笑顔で帰っていかれたのは一番嬉しかった」と話していました。山﨑さんは、中学校時代に先生の紹介でユースオーケストラに参加。「活動で経験したことや聞いた話をいろんな人に伝えていきたい」とも話していました。

リーダーを務めた山﨑優子さん

南三陸町でも定期的に演奏会を行っていきたい!

神奈川大学3年の冨澤悠太くんは「同じ学生同士で作り上げたイベントだったので成功してよかった。南三陸町でも定期的に演奏会を実施していきたい」と話していました。年明け2月に南三陸町内でまた演奏会を実施する予定とのこと。詳しい時間や場所はこれから詰めていくそうです。

その他、3月31日には仙台市にある、東京エレクトロンホール宮城にて “東北ユースオーケストラ演奏会2018”を開催。音楽監督である坂本龍一さんも出演予定とのことでした。

東北の各地域で定期的に行っている有志演奏会。それでも東北ユースオーケストラの認知度はまだまだ低いと話していました。今後も継続的な活動をしていく中で“心の復興”の手助けや、東北に限らず全国や世界に音楽を通して東北のことを発信してもらいたいです。また音楽の力が地域の課題でもある、コミュニティ形成の新たな“きっかけ”になっていくことを期待しています。

20㎏もあるチューバを軽々持ち上げる冨澤悠太くん

インフォメーション

東北ユースオーケストラ http://tohoku-youth-orchestra.org

Project“M” https://www.facebook.com/ProjectM-1738680696367360/

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