南三陸町に嫁いできたお嫁さんを紹介する『嫁めぐり』。今回は、今年で結婚8年目を迎えるベテランお嫁さん、佐々木(旧姓村田)さきさんをご紹介します。
気仙沼市出身のさきさん。現在は、南三陸町歌津地区に可愛いお子さん3人と旦那様のご両親と御姉妹の家族8人で暮らしています。漁師の旦那様とは友人の紹介で知り合い、数年のお付き合いを経てご結婚されました。
現在はわかめの最盛期で育児や家事で大忙しの日々を送っています。
震災を経験して
1番目のお子さんの恒君は、2011年の東日本大震災の時、生後4か月でした。
震災の日、出張のため恒君を実家に預け、ご自身は仙台空港付近にいました。知らない土地で被災し、津波に追われながら必死に車で逃げ、何とか助かったとのこと。それから何とかして、実家の地区へ帰ってきたものの、避難所や病院を探し回りましたが、恒君や実家の家族に会うことができませんでした。
ガソリンもなくなり、歩いて探して、ようやく次の日の午後に会うことができました。
実家も嫁ぎ先も被災してしまい、避難所で避難生活を送っていましたが、避難所や親族の家を転々としながら、ようやく8月に仮設住宅ができ、入居することができました。
仮設住宅での生活がスタート
仮設住宅、四畳半二間と六畳一間での6人暮らし。ドアではなくアコーディオンカーテンで、プライバーシーが守れるものではありませんでした。
何をするにも気が休まらない生活が4年。ようやく高台に家を建てる事ができ、今は快適な生活を送れています。
そして震災から6年。お子様も増え、今は毎日楽しく生活しています。
嫁いで大変だったこと、良かったことは?
「家業が漁業で、その時期によってライフスタイルが変わってしまい、漁が始まると昼夜逆転生活のため、家事、育児を全て1人で行うのが大変。ご飯も忙しい時は家族やお手伝いさんの分を合わせて十数名分を育児や家事をしながらご飯の用意はとても大変」とのこと。
特にわかめの時期は、朝早くから夕方まで忙しく生活をしていて休まる時がありません。
「子ども達が体調を崩してしまうと近隣にいつでも診てくれる小児科がなく、1人で3人の子ども達を連れて車で約1時間かかる病院へ連れて行くのがとても大変です」
ただそんな慌ただしい生活の中で、子どもたちが自然と家事のお手伝いや漁業のお手伝いをしてくれるようになったとのこと。
「漁業のお手伝いでは90歳や80歳のご年配の方との関わりで、子ども達も重いものを持ってあげたりと優しさが育まれたり、育児環境はとても最適です」
南三陸町での子育ては?
「歌津地区にも子育て支援センターができたり、子育てクーポンが発行されたり、町が子育て環境などについて色々力を入れて、取り組んでくれている事がよく伝わり、今後に期待しています。」
子どもたちには「たくさんの夢をもって、色々な人生経験をしてほしい」とメッセージを頂きました。