8月2日〜4日の2泊3日で、志津川自然の家を会場に「ジュニアリーダー初級研修会&ふるさと交流会」が行なわれました。今年で33回目となる南三陸町と本別町の交流の物語。震災がありながらも、途切れることなく交流が行われています。
今年で33回目の交流事業
旧志津川町と北海道本別町の交流事業は昭和60年から始まりました。北海道の職員らが少年教育事業を他の自治体から学ぶために探していたところ、当時から旧志津川町で盛んにおこなわれていたジュニアリーダー活動が目に止まったそうです。昭和58年に職員が旧志津川町に派遣され、実際にジュニアリーダーが活動している姿を見て、本別町の職員は感銘を受け、ジュニアリーダー事業を取り入れることに。それから2年後の昭和60年からは、両町の教育委員会主催のもと、一緒に初級研修会を開催するとともに、交流がスタートしました。
それから毎年、夏は南三陸、冬は本別町で交流が行われており、今年度で33回を迎えます。
本別町のジュニアリーダーサークルは「HVCかめ」といい、かめのようにゆっくりと成長していくという想いで名付けたそうです。現在16名の中高校生が活動。子ども会活動だけでなく、地域のイベントのボランティアや成人式の運営ボランティアなど多岐に渡って活動しています。
東日本大震災がありながらも今も続く交流
平成23年3月にも、ふるさと交流が予定されていましたが、東日本大震災により中止。しかし、震災からわずか10日後、車に支援物資を積んだ本別町の職員らの姿がそこにありました。本別町ジュニアリーダーを担当しいる本別町教育委員会社会教育主事小池知巳さんは「見慣れた町並みがないことに、ただただ驚いた。そんななかでも町をまわっていると当時ジュニアリーダーをしていた子たちに会えたことでひとまず安心した」と当時を振り返ります。
その年は、両町の交流・初級研修はできないと諦めていました。しかし本別町からの町をあげての支援、協力があり、夏に本別町で初級研修と交流会を開催することが出来ました。
次年度からは例年通り、南三陸町でも一部のプログラムを組みかえながら初級研修が行われました。震災から7年目を迎えた今も、交流・初級研修を続けています。
今年の初級研修生は13名!
今年、ジュニアリーダー活動に参加すべく初級研修を受けたのは、南三陸町では5名、本別町8名の合計13名が初級研修に参加しました。そのほか、本別町からは引率職員2名と現役で活動しているジュニアリーダー3名、南三陸町からは引率職員7名、現役ジュニアリーダー19名が参加しました。
2泊3日の研修はいかだ作りやカッター漕艇、ジュニアリーダーの基礎講座、最後の夜には幻想的で感動的なキャンドルセレモニーなどが行われました。研修の中でジュニアリーダーの基礎だけでなく、自然と触れ合いながら、仲間と協力することの大切さなどを学ぶことができます。また、学校生活では出会うことのできない、仲間と過ごすことで個人の成長にもつながっているようです。
両町共通の課題は・・・
活発にジュニアリーダー活動を行ってる両町ですが、少子化による人材不足という課題もあります。本別町は現役で活動しているのが16名、南三陸町は34名となっております。子どもがいないということだけではなく、ジュニアリーダーの活動を目にする機会が減っているのが一つの要因ではないかとのことでした。
3月の再会までお互いレベルアップをめざして
最終日に行われた、お別れセレモニーでは最後となる高校3年生がジュニアリーダーへの想いやジュニアリーダーになったきっかけなどを語りました。多くの人が、小学生の時にジュニアリーダーにお世話になり、憧れてジュニアリーダーになったとのこと。もちろん活動は楽しいことだけではなく、辛い時もあれば、辞めたいと思ったこともあったそうです。それでも一緒に頑張ってくれる仲間がいたこと、支えてくれる仲間がいたことで今まで活動してくることができたと話していました。
“ぶらんこの上に乗るのはかめしかいない”
南三陸のジュニアリーダー「ぶらんこ」と本別町のジュニアリーダー「かめ」の絆を表した言葉です。年に1、2回しか会えない仲間でも、お互いにかけがえのない存在。片方だけでは成り立たない、2つのサークルが支えあっているからこそ両町のジュニアリーダーサークルがあることを実感させられました。
次に両町の子どもたちが再会するのは、3月に本別町で行われる「ふるさと交流会」です。南三陸町からは十数名が選抜されて、研修に参加するため、みんなが再会できるわけではありません。それでも互いに成長した姿を見せるためにジュニアリーダーとしての技術技能を磨き、再会できるのを励みにして活動していくのです。