志津川湾って、すごい!シリーズvol.9「アワビは、すごい!」

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今回のテーマは「アワビは、すごい!」だ。南三陸の冬の風物詩でもあるアワビ。でも意外にその生態は知らないことだらけ。今回の記事ではそんなアワビの謎に少しだけ迫ってみたいと思う。

アワビは何貝?

南三陸の冬のご馳走の1つといえば?!

そう、アワビだ!

正式にはエゾアワビと言い、みなさんも知る通り高級な食材としてとても有名だ。
日本には10種類のアワビがいるのだが、三陸の海に生息し採られているのが、この蝦夷アワビなのだ。

さて、ここで問題。アワビは何貝?!
二枚貝?巻貝?それとも貝じゃない?!(笑)

答えは”巻貝”。

その殻を よーく観察してみると、渦を巻いているところがあるはずだ。これが巻貝である証拠なのだ。

アワビも限りある資源

さて、そもそもアワビはどこにいて、どのように採取するのだろうか。大人になったアワビの主食は海藻。つまり海藻があるところに生息していて、海藻が生息しているということは、それは太陽の光の届く深さということになる。だから海女さんたちが素潜りで採ることができるのだ。

志津川湾では、養殖しているものもあるのだが、基本的には漁師さんたちが船で海へ出て鈎(カギ)という道具でアワビを採ってくる。

突然ですが、“開口”という言葉をご存知だろうか?!

「かいこう」と読むが、通称「くちあけ」とも言う。これは漁業に関する言葉で、ある一定の期間の中で、決められた海産物を採取しても良い、と事前に漁協から日にちや時間が設定されることを言う。

夜明けとともに始まる開口

開口がある海産物には、「うに」「ひじきやふのりなどの海藻」「アワビ」「あさり」「つぶ」などがあり、これらは漁師さんでもいつでも好きなときに海にいって取っていいわけではないのだ。

海産物で採取する日が決まっているものがあるなんて驚いたのではないだろうか。海はいつでもそこにあり、魚も貝も海藻もいつでもそこにあって尽きることはない錯覚をおこしそうになるが、実はこれらは限りある資源で、根こそぎとってしまうとなくなってしまう。私たちが食べたいから、売りたいからと好き放題に採ってしまえば、底を尽いてしまうのだ。だから採るルールを決めて、なくなってしまわないように採取する、それが開口だ。

箱メガネで海を覗いた様子

アワビが少なくなっている!?

海藻藻場の優れた環境としてラムサール条約登録湿地にもなった志津川湾の、その豊かな海藻の中で育ったアワビ、美味しくないはずがない。しかし漁師さんの言葉によると、近年アワビの漁獲数はどんどん減って来ていて、またサイズも小さくなっているようだ。

この背景には、震災の津波でアワビの稚貝たちが流され、ちょうど今頃、ほんとうだったら成貝になって採取できるくらいになっていたはずのものがいないということがあるらしい。しかしそれだけではなく、成貝でもちょっと小さめのものでもどんどん採ってしまうことで、アワビの子どもがつくられないということもあるようだ。”取りすぎ”ということになる。

志津川湾では、開口というルールが決められ、さらには潜って採取することを禁止したり、船の上から鈎でとるという伝統的な手法でのみ採取を許可して取りすぎを防ぎ、また稚貝の放流などもおこなってきているが、まだまだ改善には至っていない。もう一段階進んだ取り組みも検討しないといけないのだろう。

食文化に欠かせないアワビ

日本人が大好きなアワビ。

南三陸では、お正月に欠かせない食材の1つでもあり、お雑煮の出汁をアワビでとる文化がある。具材としてももちろん活用されている。そのほかにも、アワビごはんにしたり、茶碗蒸しの具材にしたりなど、南三陸の食文化の豊かさおそるべしと言える。しかし、この文化の継承もアワビが採れてこその話だ。

美味しく、そして文化にまでもつながる海の資源のアワビを、町民の立場からも守るためには…

そうだ、アワビについてもっと勉強しないといけない。目や歯の位置や形、小さい頃はどこにいるのか、何年くらい生きるのかなど。南三陸・海のビジターセンターに行けばそれらを学ぶことができる。アワビについてしっかりと学ぶことがアワビを、自然を大切にする一歩目のような気がするぞ。

海研一でした。

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